「宝物のような経験ができた」ーパリオリンピック5位入賞の稲葉玲王
パリオリンピック サーフィン競技で日本人男子最高位となる5位入賞を果たした千葉県出身 稲葉玲王が6日に帰国しました。目標に掲げていたメダル獲得にはあと一歩及ばなかったものの、初出場のオリンピックで「宝物のような経験ができた」と成田国際空港で報道陣に対して語りました。
Q.声援はどのような力になりましたか?
A.今まで感じたことのないようなすごい応援でとても力になりました。期待に応えられずメダルを見せることができなくて悔しいです。
Q.目標にしていた「一生に一本の波」には乗れましたか?
A.叶わなかったので、悔いが残ります。
Q.印象に残ったことは?
A.タヒチという舞台で、オリンピックという一番大きな大会でサーフィンができたこと自体が一番印象に残っています。
Q.これからの目標は?
A.今後のことはまだもう少し考えたいです。オリンピックではいい経験ができたと思っているので、この経験を活かしつつ次世代にバトンを渡していけるようにしたいです。
Q.オリンピックとはどういう大会でしたか?
A.特別な大会になりました。パリから遠く離れていたので「オリンピック」感を感じることはできなかったです。
Q.「次世代に繋ぐ」という話もありましたが、出迎えてくれた子供達にどういうサーフィンを見せられましたか?
A.パリオリンピックに出場した男子日本代表の中では唯一の日本生まれ育ちだったので、日本人としてのスキルの底上げだったり、夢や希望を与えられたらいいなと思っていました。それが少しでも見せられたらよかったのかなと思います。
Q.今帰国したばかりですが、まずしたいことは?
A.お風呂に浸かりたいですね。
Q.準々決勝のライディングを振り返っていかがですか?
A.チューブライドで7点台を出せたことは良かったです。ずっと波を見ていてコンディション的にチューブに乗れれば勝ちだなと思っていたので、乗れた瞬間はすごく嬉しかったです。相手の選手が技で点を出したので、いつもの基準的には勝てても良かったんじゃないかなとは少し思いました。もう1本乗れれば良かったと思います。この1年半はメダルを取るために練習をしてきたし、取れるシチュエーションもあっただけにとても悔しいです。
Q.オリンピック中のベストウェーブは?
A.ROUND3 フェリペ・トレドとの試合の1本目です。ワイプアウトしてしまったが、その日一番でかいサイズの波に乗れたので、ベストウェーブだと思います。
Q.ヘルメットの効果は感じましたか?
A.なおさん(故・小川直久)の想いを少しでも引き継げたのなら嬉しいし、ヘルメットから安心感とパワーをもらえて感謝しています。
Q.普段の大会とは異なり、日の丸を背負うことにプレッシャーはありましたか?
びっくりするほど緊張を感じませんでした。サーフィン人生で初めてというくらい、試合中もめちゃくちゃ楽しくて、すごくリラックスできました。今まで一番試合でサーフィンを楽しめた瞬間だったと思います。
Q.オリンピックで得たものはありましたか?
A.まだ戦えるなと思いました。オリンピックという大きい舞台でも楽しむことができて、改めてサーフィンをやってきてよかったと感じました。
Q.田中樹コーチから伺ったところによると、稲葉選手の中で乗る波は決めていたのですか?
A.オリンピックまでに何度もタヒチに通っていろんなコンディションで練習してきました。タヒチらしいでっかい波はもちろんですが、一番練習したシチュエーションが今回のオリンピックのようなショボめの波だったので、すごく安心感があり自信に繋がって、乗る波をある程度絞れていました。タヒチは波との勝負で、海と一体化できるかどうかで決まると思っていたので、相手選手のことは全く気にせず試合に集中できました。
Q.準々決勝でヘルメット被っていなかったのはなぜですか?
A.チューブが小さいと最後波から抜けるときに頭に波が当たってしまってこけてしまい、練習でも何回かそういう経験をしてきていたので、本当はつけたかったですけどヘルメットは被りませんでした。
Q.残り5秒でセットが来たが、乗らなかった理由は?
A.世界で3点を出すというのはなかなか難しいので、あの波にはポテンシャルがないと判断しました。