ボディボードのない人生は考えられないー日本人初世界チャンピオン鈴木彩加さんインタビュー
茅ヶ崎出身、日本人最初のボディボード世界チャンピオンの肩書きを持ち、ハワイ・マウイ島で家族3人で暮らすプロボディボーダーの鈴木彩加さん。今年2月に出産されたばかりですが、なんと産後3ヶ月で試合復帰。今回はオンラインで取材をさせていただき、ボディーボードを始めたきっかけから、出産を機に変わった練習スタイル、産後すぐの大会復帰、今後の夢や目標について彩加さんの魅力がたっぷり詰まったお話を伺うことができました!
やっとの思いで世界チャンピオンに。
ボディボードはいつから始められたんですか?
8歳です!物心ついた時から母が趣味でやっていたスポーツだったのでとても身近なスポーツだったんです。ボディボードを始めてすぐに地元の茅ヶ崎で大会があり出てみたら3位入賞しました!入賞すると景品がもらえるのですが、それが当時はとっても嬉しくて(笑)
いきなりの表彰台はさすがのポテンシャルですね!
どうなんでしょうか(笑)
そこからはコンスタントにアマチュアの大会に出続けて、15歳でプロになった後は世界ツアーに出るようになりました。世界ツアーは国内ツアーと比べて、規模が大きく、観客も多かったので、「ここで日の丸を掲げたい!」という思いから練習を重ねてきました。
日本人初のボディボード世界チャンピオンになった時はどのような気持ちでしたか?
「今までやってきたことがやっと報われた…!」と安堵感が大きく、嬉しさよりもホッとした気持ちの方が勝りました。世界チャンピオンになることは、人生をかけて達成したいビジョンの通過点だったので、次のステップへ進めることの安心感を持てた出来事でしたね。
ずっと絶え間ない努力をし続けてきたからこそ、嬉しさよりもホッと一安心の気持ちだったのですね。
「もっとうまくなりたい」その一心で出産後すぐ復帰。
今はハワイのマウイ島に住まれているんですよね。マウイ島はどんなところですか?
はい、コロナ禍にハワイ出身の旦那と結婚して、そのまま移住しました。マウイ島はオアフ島よりものんびりしていて日本人はほとんど見かけない島です。自然が美しく、とってもリラックスできる場所です。滝のスポットがたくさんあって、マイナスイオンがすごいんです。
もともと英語は得意だったんですか?
そんなことないです。ツアーで世界中を周るようになり、必然的に英語を話さなきゃいけない状況になって、少しずつ鍛えていった感じです。旦那さんと出会って、もっとコミュニケーションを取りたいという純粋な気持ちが英語力の上達に繋がったと思います。
恋愛が一番の上達手段と言いますよね!今年2月には第一子をご出産されたとのことで本当におめでとうございます!
ありがとうございます!もう可愛くて可愛くて仕方がないです。ただ生活はガラッと変わって、娘を第一優先したスケジュールで動いています。
産後3ヶ月で試合に復帰されたとお伺いしました!
はい、残念ながら2位ですごく悔しかったですね。産後3ヶ月というとびっくりされる方も多いのですが、妊娠17週目でメキシコで開催された試合で夫婦ダブル優勝後は、お腹が大きくなってきたので、試合に出ておらず、ずっと試合に戻りたくてむずむずしていたんです(笑)とにかく体を早く整えたい、試合に出たいという思いが募っていました。
妊娠中からうずうずされてたんですね(笑)体の変化などは感じましたか?
産後1ヶ月は体もメンタルもボロボロの状態だったので、産後29日目でボディボードに戻りました。ただ自分でもびっくりするくらい、体が思うように動かなくて。体幹もないし、筋力は落ちてるしで、悲しくて一人シクシク泣いてしまうほどでした。今までは自然と体が動いていたのに、それができなくなって、自分の体なのに体がついてこない、そんな感覚で最初は戸惑いましたね。
そうだったんですね…。そこから約2ヶ月間、どのような練習メニューで調整をされたのでしょうか?
まずはヨガなどのトレーニングを通して、体のメンテナンスをすることから始めました。あとはなるべく海に入る回数を増やしました。家族で協力しながら育児と練習の両立を行なっていました。ただ少し動いただけでも体がすぐ疲れてしまい、日々睡眠欲と闘いながら自分の感覚を取り戻すために頑張りました。
本当にすごいです!その原動力はどこから湧いてくるのでしょうか?
「ボディボードをもっとうまくなりたい!」という純粋な気持ちからだと思います。世界チャンピオンになったからといって、一番うまいわけではなく、まだまだ上のレベルがありますし、終わりがないからこそ、どんどん極めたくなるのかなと思います。
彩加さんのストイックなところ、本当に尊敬します!
ただの波乗りバカなだけですよ(笑)私よりも旦那の方がもっとボディボードが好きなんです。2日海に入らないと干からびるんじゃないかと心配なほどです。家からサーフポイントまで結構距離があるので、娘と3人でビーチに行き、交代で海に入っています。母乳あげなきゃとか泣いちゃったとかで急いで戻ることもあるんですけど、結婚して子供を産んで、ママになることを夢見ていたので、今とっても幸せなんです。
女性も気楽に始められる!まずはラフに楽しんで欲しい。
ボディボードの魅力はどんなところですか?
サーフィンをはじめマリンスポーツは自然の魅力を全身で感じられるスポーツですが、特にボディボードは海面との距離が近く、常に体のどこかが海に触れていてパワーをもらえるんです。老若男女楽しめるし、ボディボードをしている人ってみんなHAPPYなんです。毎日を楽しんで生きているので、そのコミュニティの恩恵もすごく受けています。
確かに!みんな明るくて幸せオーラを纏っている感じですよね。
サーフィンよりもボードがコンパクトなので、手軽に持ち運びができます。高校時代は千葉の海に入るために湘南から電車で通っていたほど、ボディボードは気楽に波乗りに行けるのがポイントです!あとは背筋と臀筋が鍛えられるのでボディボードをしている人はみんな体のラインがとっても綺麗なんです。お尻もプリっと上がっていてまさに女性の理想の形です。
女性でも持ち運びしやすいのは嬉しいですね!ボディボーダーの美しい体型に憧れて、ラフに始めてみるというのも良いかもしれないと思いました!
そうなんです。最初はエクササイズ感覚で全然良くて。これから暑くなってきますし、ボディボードにぴったりな季節です。趣味で気軽に楽しむ程度のライト層を一番増やしていきたいですね。ボディボードはフィンをつけて夏でも海水浴場で楽しめるマリンスポーツなんです。だから安心して始められますよ!
生涯ボディボードをやり続けたい。
彩加さんの今後の目標を教えてください!
人生の目標は一生ボディボードを続けて、波に乗り続けることです。家族みんなで旅をしながら、楽しく続けたいです。近い将来には世界ツアーに戻りたいと思っています。また並行してボディボードの魅力をもっと多くの人に伝えるために、SNSでの発信も強化していきたいです。ボディボード人口を増やして、業界を盛り上げて、いつかオリンピックの種目になればいいなと。
お話を聞いていると、ほんとパワフルでスーパーウーマン…!
「彩加さんみたいになりたい!」とボディボードを始める女の子もたくさんいるんじゃないかなと思いました!
次世代から憧れられるロールモデルのような女性になれるといいなと思っています。それも人生の目標の一つですね!
今日は貴重なお時間をいただきありがとうございました!
ハワイへのサーフトリップの際は、こちらからぜひお問い合わせください!彩加さんがサーフポイントを案内してくれます。オアフ島とはまた違った現地民の生活を感じられるマウイ島にぜひ行ってみてくださいね!