江ノ電が「地域共創プロジェクト」に込めた湘南への想いとは?担当者にインタビュー!
「江ノ電(えのでん)」の愛称で親しまれる「江ノ島電鉄」は、湘南の地に根付いて120年以上。藤沢駅から江ノ島、鎌倉駅を結び、レトロで可愛らしい車両や、窓の外に広がる海の景色が観光客に大人気です。湘南観光といえば江ノ電を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。かつてはサーファーの利用も多かった江ノ電ですが、現在は車で移動したり、レンタルロッカーを契約したりするサーファーが増え、利用者は年々減少しています。地域に根ざした活動を軸に、様々な企業とのコラボレーションや地域住民との密な連携を通じて、湘南エリアを盛り上げるため奮闘している江ノ島電鉄株式会社の地域共創担当、峯尾さんと大木さんにお話を伺いました。
ー観光客の利用割合はどれくらいでしょうか?
現状、定期利用が全体の3割、定期外のICカードや切符利用が7割を占めています。コロナ禍以降、インバウンド観光客が増え、乗車客の7~8割が外国人の時間帯もあります。観光客が多いこともあり、混雑を予想してサーファーのお客様が減少していますが、サーファーの方が利用される早朝はとても空いています。ぜひ江ノ電を利用して、湘南の海でサーフィンを楽しんでいただければと思います!
ーBILLABONGとのコラボレーションの経緯は?
業種は違えど、同じ湘南地域に根ざす企業同士で何かできることはないか、とお声がけいただいたのが始まりです。私たちのチームでは、「地域共創として何かできないか」と日々模索しており、湘南に大きな一号店を構えるBILLABONG様からのご提案を非常にありがたく受け止めました。
ー反響はいかがでしたか?
『あのTシャツが欲しい』という声をたくさんいただき、とても嬉しく思っています。また、コラボ制服を着ることを喜ぶ社員も多く、社内の評判も非常に良いです。
ー江ノ電をPRするために、現在取り組んでいることは?
台湾の第二の都市・高雄を走る『高雄メトロ』や、ベビースターラーメンを生み出した『株式会社おやつカンパニー』とタッグを組み、『日台観光電車プロジェクト』を展開しています。台湾ではアニメや漫画の影響で江ノ電の知名度が高く、多くの方に江ノ電をご利用いただいております。今後は沿線の案内とともに、マナーなどに対する啓発についても併せて行っていきたいと思っております。
ー地域住民の方との取り組みも行われているのでしょうか?
江ノ電沿線に住む方や商店の方とともに、地域を盛り上げる活動を行っています。ただ参加者として関わるだけではなく、地域の方々と共同で行うことに意味があると考えています。同じ目線に立たなければ地域の課題は見えてきません。協賛だけで終わらせるのではなく、自分たちも積極的に関わり、何でも相談されるような関係性を築きたいと思っています。
ーなぜそのような取り組みを始めたのでしょうか?
地域を元気にしたいという思いからです。4年前に地域共創チームが発足するまでは、地域との関わりは少ない会社でした。地域住民の方がやりたいことをベースに、それを全力でサポートする体制を目指しています。私たちがいなくなっても続く仕組みを作りたいという思いで、勤務時間内外を問わず誘われたら積極的に顔を出すようにしています。地域の集まりに企業として呼んでいただけるようになったのは大きな成果ですし、ここまで来られたことを実感しています。
ー今後の目標は?
人口減少が進む中、地域単位での活動がますます重要だと考えています。『湘南のシンボル』『江ノ電ブランド』と呼ばれることを、私たち社員自身は特に意識していません。地域を彩る一つのパーツとして、皆さんと一緒に盛り上げていけたらと思います。観光資源に恵まれたこの地域のおかげで江ノ電の知名度が高まり、今があります。これからも様々な人が集まり、湘南を盛り上げていきたいです。BILLABONGさんとのご縁をきっかけに、ビーチクリーンなどの環境保護活動や、サーフィンとのコラボレーションも行っていきたいですね。