
今回の第20回アジア競技大会は日本での開催が36年ぶりで、サーフィン競技が初めて採用された記念すべき大会で、「なみある?」はフォーキャストスタッフとして参加してきた。

オリンピックではじめてサーフィンが採用された大会であった、東京オリンピック2020でも、WIC(気象チーム)として参加した「なみある?」ですが、今回もWIC(気象チーム)と、NTO(National Technical officer)にそれぞれ1人配置で2人で参加。この大きな二大会に参加した波情報会社は「なみある?」だけという名誉な仕事。
主な作業は開催されるポイントの概況文の作成や、波の予測業務、また雷などの試合進行を妨げる要因がある場合にコンテストディレクターに情報を共有する。など、普段の業務より、ピンポイントに正確性が求められる。
また、東京オリンピック2020の時もそうだったが、厄介なのが台風。今回も台風26号と秋雨前線に振り回された業務となった。
今回の大会会場は愛知県田原市の大石海岸(太平洋ロングビーチ)。過去にもASPの大会や、ISA WSG(World Surfing Games)、記憶に新しい昨年開催のWSL QS6000 Tahara Proなどを開催してきた歴史ある場所だ。この2025年に開催されたQS6000は、今回のアジア大会の予行演習的要素もあった大会といえる。というのも、この時のスタッフは、ほぼ全員今回のアジア大会スタッフに招集されているので、大会を通してチームワークを養うことになっていた。
9月22日にスタッフが全員集められた。
この日から選手の練習日となる。スタッフ用のユニホームも配られ、緊張感が湧いてきた。スポーツユニホームだけでなく、我々にもスーツ一式が渡された。(うーん、これはいつ着るのだろうか 笑)
気になる波だが、ハラ~ムネ・カタくらい、たまにアタマくらいのサイズがあり、コンテストには十分なサイズと言える。
全体MTGがあり、英語で行われる。夜にもホテルでスタッフMTGが行われ、これも英語で進む。昨年のQSもあり皆慣れている。


23日は練習日2日目。
ホテルから会場へ大型バスでの移動となる。テロ対策で、会場入り口のゲートでは一旦全員バスから降り、荷物を出し、ボディーチェック、IDとの照合が行われる。バスも爆弾などのチェックも入り厳重なセキュリティーチェックとなる。
波のサイズはハラ~ムネ・カタくらいで、マニューバーもしっかり入り見応え十分。コンテストのリハーサルも行われ、進行上の問題点などの洗い出しが行われた。現場で飛び交うのは、主に日本語、英語に中国語。中国語は全く理解できずコミュニケーションが・・・。結構現場でバトルを目撃した。笑

24日は練習3日目。
ウネリは若干弱まる傾向になり、風も西寄りの風が吹き、ロングビーチとしては、サーフィンにやや不利なコンディションになるが、ハラ~ムネくらいはキープしていて練習は問題なくできた。
運営サイドは再びリハーサルに。この日はメダル授与式まで通して行われた。現場はかなりピリピリ。選手やスタッフの導線も再確認。ボランティアさんも多いので、徹底するのが難しい。

25日。いよいよコンテストオン。
ウィメンズのヒートからスタートするが、波のサイズが下がりウェイティングに入る。潮が上げに入りサイズ変化し、再スタート。

この日は、五十嵐カノアと柄澤コナーのチームジャパンの直接対決もあり、会場は多くの観客が集まり、大盛り上がりとなった。このリートは柄澤がエクセレントを出すライディングで1位となりR3へ進み、五十嵐はR2へ回るが、不戦勝となりR3へ。なんとここにドラマがあった。ウィメンも池田美来、野中美波が登場して、順当にラウンドアップしチームジャパンは大活躍となった。
実はこの日、沖合で海上保安庁からサメの目撃情報があり、ウォーターパトロールや海上保安庁が、チェックをしながら試合進行となった。




26日コンテストDay2
午前中はヒザ~モモくらいのスモールサイズでスタート。しかし、徐々に潮が引きサイズもダウン、パワーもダウンでウェイティングに入る。その後もウネリが強くなる要素はなく、潮の上げ込みでも大きなサイズ変化はなく14時にレイデイとなった。ジャッジチームは早々にホテルに戻り鋭気を養う。
27日コンテストDay3
午前中はモモ~コシとイマイチなサイズだったが、コンテストオン。干潮時付近で、一旦ウェイティングとなったが、午後にウネリが少し強まり、ハラ~ムネくらいまでサイズが上がり再スタート。サイズが上がった時の選手のライディングはやはり凄かった。会場も大盛り上がりとなっていた。この日は15時に雷注意報が発表され、雷がなったらストップをかける準備となる。
この日はウィメンの池田美来と野中美波が登場した。池田は9点台を2本揃える素晴らしいライディングでコンボとし圧勝。QFへ進んだ。野中も7点台を2本揃え、コンボとし圧勝でQFへ駒を進めた。


28日コンテストDay4
早朝から波のサイズは、コシ~ハラ・ムネくらいで、コンテストオン。順調にヒートが進み、本日はメン、ウィメンともQFまで進む予定だったが、潮が引き波数も減り、サイズもダウン、パワーもダウンし、ウェイティングに入り、そのままコンテストストップ。全てはファイナデーに託されることになった。確かに台風26号からのウネリが届く予定になり、波高はアップ傾向になる。しかし、秋雨前線が上空に停滞しているので、本当にサイズアップしてくるのか、なんとも悩ましい状況。気象チームでは、台風は数字ほど発達しておらず、ウネリは厳しいのではないかと言う声も。
メンのR3は、なんという事か再び五十嵐カノアと柄澤コナーのマンオンマン対決に!この大会日本の観客は、誰もが二人のワンツーフィニッシュを思い描いていたはず。しかし、ヒートは流石CTの二人とあって、レベルの髙いシーソーゲームで実に見応えのあるヒートに。結果はエアーリバースを決めた五十嵐がラウンドアップ。柄澤はここで敗退となり9位となった。





29日コンテストFinalday
いよいよ最終日。なんとこの日は当初の予定の予備日。ファイナルまで行わなければならない。
波はどうなのか?会場に移動中のバスの中でもソワソワ。
会場に着き、まず波チェック。ウネリは入っていた!コシ~ハラ・ムネくらいで、徐々にアップしている。これなら問題なくコンテストオン。順調にヒートは進み、サイズもアタマ~アタマオーバーくらいになってきた。
いよいよ、メン、ウィメンのファイナルに。しかし、SFくらいからウネリが弱まりサイズダウン傾向に。ハラ~ムネくらいで波数も減りメンのファイナル時はやや物足りない状況。しかし、選手は良い波を確実にゲットしてポイントを出していく。五十嵐カノアはSFでパーフェクト10を叩き出す!そのまま良い流れを持って、すでに承知の通り、五十嵐が見事金メダルを獲得した。

続いてウィメンのファイナル。この時は少しサイズを持ち直して見事、池田未来が優勝、金メダルとなった。

銅メダルは野中美波がゲット。嬉しい日本人選手3人がメダルを獲得した。
五十嵐カノアと池田美来は、今回の優勝で2028ロス五輪出場の切符を手に入れた!

その後、雨の中メダル授与式があり、無事アジア大会のサーフィン競技は幕を閉じた。


アジア競技大会サーフィン競技 ITO/NTO スタッフ

ここでスーツの出番となりました!



