BILLABONGが湘南で愛され続けるために。江ノ電とのコラボで伝える“Know the Feeling”。
1973年にオーストラリアで誕生し、「サーファーによるサーファーのための」というコンセプトでサーフブランドとしての地位を確立したBILLABONG(ビラボン)は、湘南エリアの文化と環境を120年以上守り続けている江ノ島電鉄(えのでん)とのコラボレーションを実現しました。江ノ電史上初のコラボ制服など、地域共創プロジェクトとして注目を集めました。今回はBILLABONGのブランドディレクター清水英知さんに、このプロジェクトに込めた思いを伺いました。
コラボレーションの経緯と反響。
BILLABONGが掲げるブランドスローガン “Know the feeling” は、海を愛する人が感じる特別な感覚を指しています。ひたすらサーフして日に焼けるとか、サンセットの中でチルアウトするとか、ショーツのポケットから砂が出てくるといったような、うまく言葉で言い表せれない、“ちょっとしたことだけど特別なあの感覚” を指していて、我々がすごく大切にしている価値観です。江ノ電は、「湘南」のイメージそのものを作り上げてきた要素の一つであり、東京タワーやスカイツリーと同じくらい知名度があります。ただの移動手段だけではなく、車窓から海が見える唯一無二のあの景色こそが、“Know the feeling”の一つだと思ったんです。そういう意味ですごく相性が良く、それぞれが大切にしている価値観で重なる部分があると思い、お声がけをさせていただきました。江ノ電は122年の歴史があり創業100周年の時に私たちが湘南の地に第一号店を構えたということも、何か不思議な縁を感じたましたね。
おかげさまで、これまでで一番の反響がありました。スタンプラリーは初めの二日間で、用意していたオリジナルドリンクホルダーの配布が終了しました。鉄道ファンだけじゃなく、家族連れからもたくさん反応があり、問い合わせも多く寄せられました。江ノ電の沿線には私たちの店舗もあって、スタンプラリーの商品引換場所になったことが動線としてもスムーズで、多くの方に楽しんでいただけたんじゃないかなと思います。
湘南の地でブランド価値を向上するために。
観光地でもある湘南の地に根付いてビジネスを22年間も続けられていることは、近隣住民をはじめ、サーファー、業界の方々のおかげです。今回のコラボレーションを通して、ようやく我々がここ(湘南)にいる意味や、正当性が証明されたという感覚があります。
湘南で愛されるブランドでいるために、地域の団体と協力してビーチクリーン活動を続けています。アメリカやオーストラリアではブランド価値が確立していますが、日本ではまだその域には達していません。これから二世代、三世代と愛されるブランドとなれるように頑張っていきたいです。
BILLABONGはサーフィンから始まりました。野球やサッカー、テニスとの大きな違いは、フィールドである「海」こそが一番だということです。野球選手で特定の球場が好きで好きでたまらないっていう人はあんまり多くないと思うんですよね。ただサーフィンの場合は海ありきのスポーツで、海があってのサーフィン。商品を作って売って利益を出すことも大事ですが、それはブランドを継続するための条件にすぎません。あくまでも我々のブランドの目的は、大切な海を守っていき、みんなが楽しく笑顔でサーフィンができることです。ビジネスはあくまでも手段であり、目的を常に忘れずにしていきたいです。
“Know the Feeling”の精神を広げていく。
“Know the Feeling”は、それぞれの心の中にある特別な感覚で、押し付けるものでも押し付けられるものでもありません。書類や会議では説明できないけど、この湘南に集まることで、それを体感できるのが素晴らしいところです。
一番大事なのは、まず近くの人たちに「BILLABONGっていいブランドだな」って思ってもらうこと。その輪がどんどん広がっていけば、ブランドの影響力も大きくなります。だからこそ、湘南の皆さんに愛されるブランドを目指して、これからもリアルなイベントを通してその価値を伝えていきたいと思っています。